暗記教科に強くなるには

社会って覚えることがたくさんあって大変ですよね。

ただ単語を1つ1つ覚えようとしても、1つ覚えたら前に覚えた内容を忘れてしまったり。

そんな時にお勧めなのが、エピソードで覚えてしまうという方法です。

 

 

例えば江戸時代には第8代将軍徳川吉宗という人がいました。

公立中学校では、徳川吉宗について以下のことを学習します。

享保の改革を行った。

公事方御定書を定めた。

目安箱を設置した。

上げ米の制を出した。

 

それぞれ別々に覚えると徳川吉宗について覚えることは4つあるように感じますが、ここにエピソードを付けてみます。

 

 

まず、当時の幕府は財政難に苦しんでいました。江戸時代では火事などの災害が起こると、すぐ火を消すことが出来ず、また家も木造のため燃え広がってしまうことが少なくありませんでした。また、庶民が火事や災害で苦しんでいても、幕府では贅沢三昧な暮らしをしていて、財政難になってしまったんですね。

そんな状況だったから、これはいかんということで、吉宗は質素倹約に努めた人だったんです。

食事は1日2食、一汁一菜という徹底ぶりでした。

それでもお米が足りなくなってしまったから、諸大名に対し、参勤交代を緩める代わりに米を献上してもらうように頼んだわけなんですね。

なぜ参勤交代を緩めたのかというと、この制度は当時の大名にとって大きな負担となる制度だからだったんです。参勤交代は江戸に妻子を置き、1年おきに江戸を領地を往復する制度でした。

当時は飛行機や車なんてありませんから、江戸と領地を往復するだけでも一苦労。もともと参勤交代は諸大名の力を削って反乱などを防ぐために作られた制度ですから、諸大名にとって重い負担となっていたんです。

その負担を取り除く代わりに、お米を献上してくださいというのが上げ米の制なんですね。

 

 

また、吉宗は庶民にも目を配ります。

目安箱を設置し、庶民の意見を聞き、公事方御定書を定めて裁判の基準を作ります。

公事方御定書を定める前までは、刑法は死刑か追放刑かの2択しかなく、一度刑罰を受けた人が更生することは難しかったんです。

でも、公事方御定書によって刑法の種類にバリエーションが生まれたことで、社会復帰できるように配慮された罰則が生まれたんですね。

 

 

こういったエピソードを聞くと、吉宗は質素倹約で幕府の財政を再建し、よりよい社会を築こうと細やかな気配りをした素敵な人のように思えてきませんか?

 

 

こういうエピソードを聞くと、歴史上の人物に愛着がわきますし、忘れにくくなりますよね。

そして、エピソードを理解したあと、まとめを作ることが大切です。

一度全体の流れを把握した後に、まとめの内容を見てみると、意外と簡単に覚えれそうだなと感じませんか?

僕の授業では、こういった物事と物事のつながりを意識して学習することを大事にしています。

面白いな、もっとこんな話聞きたいなと思っていただいた方と授業をお会いできることを楽しみにしています。

島村 和嵩(しまむら まさたか)

1993年北海道旭川市生まれ 塾講師歴10年。 北海道大学工学院を卒業後、個人塾で講師として勤務。 学生時代から、集団授業、個別指導、家庭教師、映像授業の指導を経験した後、現在の「先生が教えず、子供達が説明する授業」子供達の成績を伸ばすための最良の方法なのではないかと思い、個別指導塾ベンカルを創設。 勉強に関するお悩み、ご相談を受けつけています。